ネイティブアメリカンが日常的に行っているほど身近なものですが、連綿と受け継がれてきた大切なセレモニーをセドナで体験することができます。
それは、「スウェットロッジ」という儀式です。
スウェットロッジを簡単に一言で表せば、ハーブを使ったサウナの儀式です。
古から伝わる治癒と浄化の儀式で、ネイティブアメリカンの血を引く者が行います。
ではこのセレモニーは、ネイティブアメリカンの人々にはどのような役割があったのでしょうか?
ひとつは、ハーブの芳香成分や薬効を含んだ蒸気によって身が清められ、さらに汗をかくので心身が浄化されてリフレッシュ出来るということ。
もう一つが、それらを目的として人々が集まれる場であったこと。
医療目的ということだけではなく、大事な決断の前などにも行われていたようです。
スウェットロッジは、手作りです。
部族によって骨組みの形、大きさも違うそうです。
地面に柳などの木の枝を組んで、お椀型(ドーム型)に骨組みを作っていきます。
中心部分に、儀式で使う焼石を入れる穴を掘ります。
ドームの上には毛布や防水シートなどを被せて、シートが捲れないように裾には重しを置きます。
昔はなんと、バッファローの毛皮が使われていたようです。
そして、入り口に目印の布を掛けます。
このロッジは、母なる大地の子宮に見立てられています。
中に入れば、セレモニーの参加者はこの世界に誕生する前の世界を体感することが出来るのです。
焼石を入れる穴は、すでに亡くなった家族や縁戚を表し、『すべては繋がり、始まりも終わりもない』という世界観を表現しています。
セレモニーの手法は、部族や執り行うメディスンマンによって若干変わるそうですが、今回は一例をご紹介したいと思います。
スウェットロッジを受ける24時間前は禁酒です。
かなりの蒸し暑さなので、受ける前日からしっかりと体調は万全に整えましょう。
服装は、吸汗のよい服装がよいです。
ロッジに入る前に、セレモニーを行うメディスンマンから入り方などの一連の説明があります。
そして、セレモニーで使用する石を熱している所で、一掴みのタバコの葉をくべます。
精霊や大地への捧げものとしてタバコが使われます。
これが終わると、ロッジの入り口で四つ足をついて、地に額をつけてご先祖さま、次の世代、大地への繋がりを感じて、四つ足となったまま中へと入っていきます。
この姿は、まるで赤ちゃんのようです。
「再び誕生する」ということを表しているのですね。
入ったら穴の周囲を左周りで進み、順に座って待ちます。
セレモニー参加者が揃ったところで、焼石が運ばれて来ます。
この焼石は父なる天に見立てられています。
使われるものは、ネイティブアメリカンの世界観を表現しているのですね。
穴に石が入ると、一掴みしたハーブをくべていきます。
これを繰り返し、石がすべて穴へ入れ終わったところへメディスンマンとサポート役の方がロッジ内へ入場します。
入り口の布が下ろされると、中は漆黒の闇の中となります。
セレモニーは、全部で4回行われます。1回終わる度に、入り口が開けられます。
セレモニーの最中に体調がすぐれなくなった場合は、もちろん途中退出も可能です。
メディスンマンが焼石に精油入りの聖水をかけると、ロッジ内は一気に湿度が上がります。
そして、ドラムを叩きながら、ネイティブアメリカンの祈りの歌を歌います。
その歌が終わると、参加者ひとり一人が祈りの言葉を口にしていきます。
全員の祈りが終わると、歌を歌ったり、感謝への気づきのお話があったりと様々ですが、その後に入り口が開けられて、1回目のセレモニーが終了です。
次が始まるまで、水分を摂って小休止。
入り口の布が再び下ろされ、2回目が始まります。
メディスンマンの祈りは東西南北を司る動物への感謝です。
その動物をお伝えしますと
東)イーグルの精霊
西)クマの精霊
南)コヨーテの精霊
北)ホワイトバッファローの精霊
日本にも四神の信仰がありますが、なんだかそれと似ているようで、ネイティブアメリカンの文化がとても身近に感じられます。
こうしてセレモニーは、父なる天と母なる大地への祈り、様々な万物への繋がりに感謝する祈りへと続いていきます。
そして、自分自身に向き合った参加者ひとり一人から最後に述べられる祈りの言葉は、一回目の言葉よりも深い、全てのものへの感謝と変わっていくのでした。
このスウェットロッジのセレモニーを行って頂けるのが、セドナヒーリング協会にとてもご縁の深い、ラコタ族の長老であり、シャーマンであるアダム・イエローバード氏です。
彼は、先住民族の長老たちからも信頼され、その中でもリーダー的な存在です。
実は、アダム自身が病を患った際、スウェットロッジで病気が治癒した経験があり、心身ともに健康に保つ英知が詰まったこの伝統あるセレモニーを、たくさんの方の健康を守るために世界に広める活動を行っています。
ぜひ、セドナでこの素晴らしい貴重な体験を経験してみてください。